何かを体験したり調べ物をしたりして好奇心や興味が満足するとそれを発信することまで力が及ばずに、ブログとか香水関連のSNSとかが、また疎かになっていました。それでも、ラ コゼット パフュメの会員様宛のメルマガでは、それらのことを少しずつお知らせしています。先日は、ジャック・キャバリエのインタビューの内容をとりあげました。要約すると、
香水をスプレーした手首をこすり合わせることは、グラスに注いだペトリュス(超高級ワイン、当たり年のものは1本3,000,000円ほどになるとか)を電子レンジで加熱するようなもの。近代香水の初まりの頃は香水瓶にはスプレーがなく、香水の処方も今より単純だったのでまぁ許容できますが、現代ではそれは犯罪行為ですよ!
と、いつものように話したいことが口に追いつかない勢いでお話しされるジャックの様子から、特に香水のトップノートのシトラス香は、手首をこすり合わせることでいかに破壊されるか!それは許し難い!!という真剣な思いが伝わってきました。
また、香水の歴史があるフランスのような国は、嗅覚教育を行なうべきだと言っていました。味覚を補う大切な感覚だからとも。
味覚といえば、何年も恋しく思っていた味に、今年は再会することが出来ました。それはナポレオンの妻、ジョゼフィーヌの居城であったパリ郊外のマルメゾン城を2012年に訪問した後に立ち寄ったあるお店の、仔羊のロティです。マルメゾン城の放つ、特にジョゼフィーヌが愛した庭園で気に当たったようになりフラフラしながら、お客さまでいっぱいのお店にたどり着き、もうランチタイムも終わりかけの時間ギリギリでオーダーした一皿、仔羊のロティ。口に運ぶとほろほろとお肉が崩れていくように柔らかで滋味溢れる味が忘れられません。
今は便利ですね。そのお店もgoogle mapで簡単に見つかりました。
ラ ブラッスリー デュ シャトー
https://www.brasserie-du-chateau.com/
帰国してからあちらこちらで仔羊のロティをオーダーしてみたのですが、骨つきで中心に赤みの残るお肉が出てくるのみで、あそこで食べたあれは別の料理だったのだろうかと首を傾げていましたが。
今年になってようやくその味に再会しました。 メゾン ドゥ ラ ブルゴーニュ
お店の方にマルメゾンでのお料理と日本でのことを話したら「rôti はオーブンでの調理ですからうちはずっとこうです。他のお店では poêlé(炒めるとか焼くとかの意) だったのではないですか?」と言われて。うーん、でもポワレでなく、ロティと書いてあったはず、とますます不思議に思っていたのですが。最近、日本の某有名フレンチのシェフがYouTubeで仔羊のロティを「仔羊のステーキ」と説明しているのを見つけて、あぁ、これだと。全く別のものです。
日本人は勤勉で、欧米の書物を日本語に翻訳してたくさんのことを学んできましたが、やはり時々落とし穴はありますね。ロティの件はきっと悪意なき勘違い、またはかのシェフが学んだ時にそう教わった(と思った)、または、日本の厨房の条件に合うように変換してしまったか。冒頭のジャック・キャバリエのインタビューに関しても、え、そんなこと彼は言ってないのに???と思う日本語訳がSNSで散見されたり。いいね!稼ぎのためでしょうか、煽るような悪意ある訳文はいけませんね。え、このブログのタイトルも少し煽り気味?(笑)ごめんなさい。あなたに読んで欲しかったので😛
メゾン ドゥ ラ ブルゴーニュは骨折の通院の折に立ち寄りやすい飯田橋にあり、先日も大切な方とのお食事のお店に選びました。この日はおすすめしていただいた食後酒が美味しくて。また良い思い出を作っていただけました。感謝。
骨折の通院も後1回を残すのみ(のはず)。私の長い夏もようやく終わりそうです。
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